一方、関東における戦国時代は、史料が豊富で研究が先行している後北条氏の発展過程を軸として解説されることが多く、後北条氏以前の実態には関心が比較的低かった。しかし、近年の研究により、関東諸豪族から
鎌倉公方の嫡流とみなされた古河公方を頂点として、ある一定の権力構造が存在したことが明らかになっている
[例えば、阿部能久(2006)、3-12頁(序章)。市村高男(1994)、3-26頁(序章)。佐藤博信(1989a)、15-36頁」(序論)など。]。 後北条氏の関東支配の過程は、古河公方体制に接触し、その内部に入り込み、やがて体制全体を換骨奪胎した後に、自らの関東支配体制の一部として包摂する過程でもあった。